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大阪中之島美術館 開館準備ニュース

― 第8号 / 2020年9月 ―

2021年度に開館予定の、大阪中之島美術館。

「Artrip」は、美術館の開館準備について、現状の様々な情報を
お届けするウェブマガジンです。

今号の特集は、現在着々と工事が進む大阪中之島美術館の建設の
様子を、現地の写真によって紹介します。

(編集・発行 大阪中之島美術館準備室)

contents

《今号のコンテンツ》

特集 中之島の敷地に建物が出現! Before/After 大阪中之島美術館、ただいま建設中!

大阪中之島美術館の建設工事が進んでいます。

工事は昨年から本格的に始まり、基礎工事を経て鉄骨がどんどん組み上がっています。

現在では最上階である5階部分まで達しました。

大阪中之島美術館準備室では昨年より2箇所からの定点撮影を行っています。

1箇所は敷地の南側(A)、もう1箇所は敷地の北側に位置する高層ビル(B)からです。

ここではその写真の一部をご紹介します。

建物が立ち上がっていく場の臨場感を感じていただけますと幸いです。

(A)敷地南側(大阪市立科学館)より

(A)敷地南側(大阪市立科学館)より 2019年春頃

2019年春頃

(A)敷地南側(大阪市立科学館)より 2020年夏

2020年夏

(B)敷地北側(高層ビル屋上)より

(B)敷地北側(高層ビル屋上)より 2019年春頃

2019年春頃

(B)敷地北側(高層ビル屋上)より 2020年夏

2020年夏

いかがですか?

一年余の間に、全くの更地に建物が基礎から最上階まで立ち上がってきました。

今まさに刻一刻と、建物が出現していく瞬間を目の当たりにすることができます。

私たちは、中之島の歴史が塗り替えられる瞬間に立ち会っている、というと少し大げさでしょうか。

もともとこの場所には広島藩の蔵屋敷があり、明治時代に医学校が開設、その後長く医学校を前身とする大学病院が建っていました。その同じ地に、大阪市の新しい美術館が建つことに。

江戸時代から令和の今まで、隔世の感があります。江戸時代、日本には美術館という概念すらまだなかったですからね。

完成する建物は黒い壁面の5階建て。1階・2階に店舗やチケット売り場が、3階が収蔵庫、4階・5階が展覧会場となります。

工事はこれからも続きます。建物完成、そして美術館開館にぜひご期待ください。

引き続きみなさま、どうぞよろしくお願い申し上げます。

コレクションからこの一点

岡﨑乾二郎《手出しをするな…》

1990-91年 焼き付け塗装,鋼・木

タイトル全文:
《「手出しをするな。ということこそ、私たちにとって唯一の言葉である。」ぐんぐん近づいてきたのよ。でもこなかった。音もしなかったし、まだ明るかった。そんなにあんまり呼ばないで。いま自分から行こうとしているのだから。なんであんなことを彼が言っていたのかわかったわ。
然るにその日の午後になって、わたしたちの住んでいる住宅地のすぐ近くに、落ちたのです。ええ、私のしっている人は一人だけです。熱エネルギーの移動。これだけは自然のなりゆきにまかせるよりほかはない。いや、やはりそれは自然のしわざではない、化学者のしわざです。
「手の下しようもなく、お行儀がいい。だからどうかわたしを日陰におかないで。」あんなことを、なんで彼がいっていたのか分かるでしょう?》

当館の所蔵作品の中で最も長いタイトルを持つ作品です。私たちは複数の文章の連なりを目にしたとき、意味を読み取ろうと無意識に努力してしまうものですが、このタイトルが意味するところは読み取れたでしょうか。思わず首をひねる方も多いのではないかと思います。タイトルは三つの段落から構成されてはいるものの、それぞれの段落には意味の連なりが見いだせません。つまり、本来的に三つに分断された文章なのです。

作品そのものの形態に話をうつしましょう。本作は鋼でできた二つの塊と、木でできた一つの塊、合計三つの塊から構成されています。一つのまとまりのように組み合わせて展示されますが、そもそもは三つの塊それぞれが独立した形を持つものです。

本作は、タイトル、作品共に三つに分断された構成をとることによって、不連続で孤立した複数の塊が拮抗するさまを示しています。自律性を持つ複数の要素が、どのように繋がって形態をつくるのか。本作はこうした問いに対する作者自身の思索の痕跡なのです。

岡﨑乾二郎《手出しをするな…》 1990-91年 岡﨑乾二郎《手出しをするな…》 1990-91年 別角度から

photo©中川周(SHU NAKAGAWA)

開館準備☆ワンショット

「お届けします!」

大阪中之島美術館の封筒がデビューしました!

白地に、シンボルマークと美術館名が大きく入った封筒は、シンプルでいて、

大阪中之島美術館の存在を一目で伝えてくれます。

このように、美術館開館の準備は、建物の建築のみにとどまりません。

書類やお手紙を送る封筒にも開館の足音が聞こえています。

写真:シンボルマークとロゴタイプ

編集後記

Artrip第8号をお読みいただき、ありがとうございます。今号の編集にご協力いただいた方々に、深く感謝いたします。大阪中之島美術館の建設工事は昨年2月に始まりましたが、地上5階建ての高さを目ざして、建物の骨組みが徐々に立ち上がっていったのは、おおむねこの2020年のこと。今号の特集は、更地から建物が出来る様子を分かりやすくお伝えしようと企画しました。Artripではこれからも、大阪中之島美術館の“いま”を分かりやすくお伝えします。次回は11月発行予定です。どうぞお楽しみに。

(S.K.)

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